マダム・マサコがいた時代

戦後、デザイナー、ジャーナリストとして活躍した女性、マダム・マサコの足跡を追いながら、戦後女性誌の変遷もあわせて見ていきます。

戦前の通販カタログ「大阪の三越」

ヤフオクで珍しいものをゲットいたしました。

「大阪の三越昭和9年7月号です。

明治43年、大阪の顧客向けPR誌として創刊された「大阪の三越」。以前からとても気になっていて、すっと探しておりました。

表紙、カッコいいですね。新感覚派って感じだなあ。

 

 

もっと以前に出版されていたものは、読み物なども掲載され、ボリュームがあったようなのですが、この号は11頁だて、すべて通信販売の商品が並んでいます。

 

「今夏流行の京呉服」

 

 

右下の着尺にアップしてみました。

「柄種々、十七八才位より廿五才位向まで御年齢申添へ柄の選択方御任せ願ひます」とのこと。柄もおまかせ…。モノクロだから色もよくわからないのに…?度胸が要ります。

 

 

坊ちゃん嬢ちゃんのための「盛夏の子供服」もあります。

 

そしてなぜか本も販売しています。

 

 

このカタログ、日本国内のみならず当時の植民地であった台湾、朝鮮、満州へも商品を送っていたようです。「書留小包送料」の表を見ると、内地と台鮮満と書いてありますね。

 

 

 

「大阪の三越」は、百貨店のPR誌というより、ファッション誌の役割も果たしていたと言われています。ある文献では、昭和8年に発刊を終了していたと書いてあったので、昭和9年7月号と知り、とても驚きました。

 

11pの中にギュウギュウに通販商品が掲載されてますが、読物がないのが残念です。内容が充実していたころの「大阪の三越」を探してみようと思っています。